*** キーワード能力バリエーション:多重キッカー ***

多重キッカーは、最近ではゼンディカーに登場したキッカー能力のバリエーションである。キッカーは、その呪文を唱えるに際し、1回だけ支払うことのできる追加コストを意味している。多重キッカーは、その呪文を唱えるに際し、何回でも支払うことのできる追加コストを意味している。

《ナーリッドの群れ》
{1}{G}
クリーチャー ― ビースト
2/2
多重キッカー {1}{G} (あなたはこの呪文を唱えるに際し、追加で{1}{G}を望む回数支払ってもよい。)
ナーリッドの群れは、それがキッカーされている1回につき+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。

キッカーと多重キッカーに関する公式ルールは以下の通り。

702.30.キッカー

702.30a キッカーは、それを持つ呪文がスタック上にあるときに機能する常在型能力である。「キッカー [コスト]/Kicker [コスト]」は、「この呪文を唱えるに際し、あなたはさらに[コスト]を支払ってもよい」ということを意味する。呪文のキッカー・コストを支払うことは、601.2bや601.2e gの追加コストの支払いのルールに従う。

702.30b 「キッカー[コスト1]か[コスト2]かその両方/Kicker [cost 1] and/or [cost 2]」は、「キッカー[コスト1]、キッカー[コスト2]/Kicker [cost 1], kicker [cost 2]」と同義である。

702.30c 多重キッカー能力は、キッカー能力の一種である。「多重キッカー [コスト]/Mutikicker [コスト]」は「この呪文を唱えるに際し、あなたは追加で[コスト]を望む回数支払ってもよい。」ということを意味する。多重キッカー・コストはキッカー・コストである。

702.30d 呪文のコントローラーが呪文のキッカー・コストを支払う意図を宣言した場合、その呪文は「キッカーされた」状態になる。呪文が2つのキッカー・コストを持っていたり多重キッカーを持っていたりする場合、それは複数回キッカーされ得る。rule 601.2b 参照。

702.30e キッカーや多重キッカーを持つオブジェクトは、キッカーされたときに起こることを特定する、追加の能力を持っている。それらの能力は、そのオブジェクトに記載されているキッカー能力や多重キッカー能力と関連しており、その特定のキッカー能力や多重キッカー能力のみを参照する。rule 607〔関連している能力〕参照。

702.30f 複数のキッカー・コストを持つオブジェクトは、それぞれのキッカー・コストに対応する能力を持っている。それらの能力には、「[A]でキッカーした場合/if it was kicked with its [A] kicker」と「[B]でキッカーした場合/if it was kicked with its [B] kicker」という語句が含まれている。AとBはそれぞれカードに記されているキッカー・コストである。それらの能力は、対応するキッカー 能力に関連している。

702.30g 呪文の能力の一部がキッカーされた場合にのみ効果を持つ場合、その部分が対象を必要としていたら、その呪文がキッカーされた場合にのみ対象を選ぶ。そうでない場合、呪文は対象を取らないものとして唱えられる。rule 601.2c 参照。

* あなたがキッカーするのは呪文を唱える際である。あなたは、呪文のモードを宣言するのと同時に(あるなら)多重キッカーを何回支払うかを宣言し、あなたが呪文のマナ・コストを支払うのと同時に実際の支払いを行う。呪文をキッカーするかどうかは常に選ぶことができる。

* ある効果が、呪文がキッカーされているかどうかをチェックする場合、その呪文が複数回キッカーされているかどうかにかかわらず、その答えは「はい」か「いいえ」である。ある効果が、呪文が何回キッカーされたかをチェックする場合、それはそのコントローラーがその呪文のキッカー・コストを何回支払うことを選んだかを数える。

* 呪文はキッカーされていても単一の呪文である。例えば、呪文がキッカーされている場合でも、その全体は《取り消し》1つで打ち消すことができる。

* 多重キッカーを持つパーマネントの中には、キッカーされた回数に等しい数のカウンターが置かれた状態で戦場に出るものがある。そのようなパーマネントが(呪文や能力の結果として)唱えられることなく戦場に出た場合、それをキッカーする機会は存在しない。

* 多重キッカーを持つその他のパーマネントは、キッカーされた回数を基準に何かを行う「戦場に出たとき」の誘発型能力を持つ。この場合、それは呪文として唱えられたときに何回キッカーされたかを見る。キッカーされなかった場合でもその能力は誘発し解決されるが、効果は何もしない。そのようなパーマネントが(呪文や能力の結果として)唱えられることなく戦場に出た場合、それをキッカーする機会は存在しない。

* あるパーマネントの、それが何回キッカーされているかをチェックする「戦場に出たとき」の誘発型能力が対象をとる場合、その対象は(パーマネントが唱えられたときではなく)そのパーマネントが戦場に出て能力が誘発するまで選ばれない。

* キッカー・コストにより呪文のマナ・コストや点数で見たマナ・コストが変わることは無い。

* キッカーされている呪文がコピーされた場合、そのコピーもキッカーされている。それは元と同じ回数キッカーされている。

* 旧カードに《菌獣の横行》というカードがあり、これは「いずれかのプレイヤーが呪文を1回キッカーするたび」に誘発する能力を持つ。この能力は、その呪文のコントローラーがその呪文のキッカー・コストを何回支払うことを選んだかの回数に等しい回数だけ誘発する。
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